2012/03/07

西部地区 空き家解体に補助 函館市

西部地区 空き家解体に補助 函館市


函館市は新年度から、西部地区に点在している空き家の解体費用の一部を補助する。国からの補助を得て13年度までの2カ年で50戸の解体を見込んでおり、景観の保全や土地の流動化促進に結び付けたい考え。補助は市の都市景観形成地域内にあり、床や柱の破損が著しいなど、国の判定基準に基づいて「管理不良」と判断された建物を対象に、解体費の2分の1以内、上限30万円で補助する。


市は2002年9月、市景観形成指定建築物のレストランが隣の空き家の出火から類焼したのを契機に空き地・空き家対策を本格化。翌03年に「西部地区空き地・空き家相談室」を開設し、NPOと協働して対応に当たる。同地域内の空き家は2003年から本年度までの累計で450戸。解体除去などの相談を受けて約230戸が解体されたが、現在も214戸あり、このうち管理不良の物件が少なくとも約70戸存在する。解体が進まない理由として、NPO団体が昨年行ったアンケート調査では、約6割の家主が「経済的な理由」を挙げているという。


新年度予算案では関係経費750万円を計上。2カ年で集中的に解体を支援する考えで、すでに数件の問い合わせが寄せられている。個人財産の処分に対する行政の支援措置は異例のケースだが、同部は「西部地区は景観保全の必要性とともに、まちの歴史を伝える地域特性がある。地域に人が住み続けることが重要で、何らかの土地利用が図られるきっかけになれば」と話している。6日には市議会個人質問で小山直子氏(民主・市民ネット)が同制度について質問。荒井俊明都市建設部長は「地域経済に配慮し、解体工事の施工は市内業者に限定したい」との意向を示した。